コラム

リモートワークでは、成果が出せない?

Aug 2, 2022

夏休み、皆様いかがお過ごしでしょうか?お盆休みに帰省したり、有休と組み合わせてちょっとリモートワークしたり…、という方もいるかと思います。今回の オクタヴィアブログ は『夏休み特別編』と題し、リモートワークやワーケーションにまつわる採用企業様のメリットや課題をまとめました。

なお、本記事の掲載写真は オクタヴィア社員が 実際にリモートワークをしながら余暇の時間に撮影した景色です。美しい映像と共に、気楽にご一読ください。

 

リモートワークでは、エキサイティングな仕事ができない?

先日、テスラのイーロン・マスク氏が

「1週間に 最低40時間以上は オフィス勤務を義務付けているので、
出社しない場合は退職とみなす」

「電話では、エキサイティングな製品を生み出すことはできない」

(原文の日訳: 2020年6月6日 Business Insider イーロン・マスク「テレワークではエキサイティングな製品は生み出せない」…テスラ社員にオフィス復帰を迫るメール全文

と周知したメールは賛否両論を呼びました。
はたして これは真実なのでしょうか? 皆さんはどう思いますか?

 

優秀な人材こそ、束縛を嫌う

リモートワークを導入する採用企業のメリットとは?

在宅勤務の導入による、採用側のメリットとは 何でしょうか? 例えば、このような例が挙げられます。

  • 採用競争力を高める
  • 優秀な人材の確保につながる
  • グローバルで人材を探せる

候補者からのリモートワークニーズ増加は、採用側でも強く感じられているようです。例えば、もし二社から類似の給与や条件でオファーが出たら、オフィス勤務必須またはリモートワーク可能、どちらの会社を選択するでしょうか? 勤務地の柔軟性が高い募集を選ぶ確率が、圧倒的に高くなっています。

なお、優秀な人ほど会社からの監視を嫌います。今は 不確実性が高いVUCAの時代では特に、経営陣や管理職やプロジェクトマネジメントにおいて、自ら戦略を考え主体的に動ける『自律型人材』であることが求められます。たとえパソコンが起動している時間が1日8時間 未満でも、きちんとした目標の共有、成果に基づく評価制度、自分とチームを律する力や即時の判断力・行動力があれば、企業の成長を加速します。

また、限りある人材を地域に限定せず幅広く探すことにより、人材確保の機会損失を防ぐことができます。以前、自動運転業界では、専門知識を有するエンジニアの採用が非常に難しい実情と理由をお伝えしました。例えば、東京以外で貴社の採用要件をパーフェクトに満たす候補者をやっと見つけたとします。テレワーク不可により採用を見送るのと、遠隔で知見をチームと協力してもらうのと、どちらが会社全体のメリットがあるでしょうか?サービス業や工場など テレワークが物理的に不可能なポジションもありますが、勤務地の柔軟性により、欲しいスキルを持つ候補者の獲得の可能性は確実に高くなります。

 

候補者からリモートワークのニーズが増加している理由

リモートワークの選択肢が与えられることは、社員にとって当然メリットがあります。

  • 通勤時間の削減(もともと対価が払われない hidden work)
  • ワークライフバランス(グローバル社員の確保・定着)

もともと、通勤時間は報酬対価が払われません。年間所定労働日数は約240日なので、通勤片道1時間であった場合、年間約480時間の無給労働状態です。日経BizGate: リモート・リーダーシップ なぜ日本企業で育たないか (2021/12/22) のなかでは『 hidden work (隠された仕事)』と表現されています。一方、在宅勤務であれば、外出向けの着替えや化粧も不要なので、さらに自由な時間が増えます。ついでに言えば、服や装飾品の出費も減りますね(笑)

従業員の生活様式も常に変化しています。核家族化が進む現代は、働きながら子育てや介護に対処するケースがより増えています。また、会社が国際化したり駐在員を派遣したりする場合、実家が海外にあると帰省に24時間以上かかってしまうケースなどもあります。必然的にリモートワークは必要不可欠となってくるのです。今後、ポストコロナの時代が本格的に訪れると、その勢いはさらに増すでしょう。

 

解決策と新しいマネジメントの手法

  • 在宅・オフィスの選択肢を与える(ハイブリッド)
  • 結果主義の人事評価を変える
  • パフォーマンスが出せる『奇跡のペア』をつくる

リモートワークの導入には、今まで通りの管理体制では通用しません。

在宅勤務・テレワークどちらかの強制ではなく、社員に選択肢を与えることです。前述のテスラのようにオフィスに戻ってくるよう促す企業もあるようですが、実際は不満の声が多くあがるそうです。長期的にみれば、離職率の増加・定着率の低下につながります。社員は自宅・オフィス(または その他の場所)で、自分が最も集中して生産的に働ける場所を「自律的に」選択するからこそ、会社の利益につながります。

また、結果重視の人事評価に変えることも一考です。日本ではどうしてもプロセス評価に寄りがちですが、リモートワーク環境下では、社員のプロセス管理まですると大変な労力を要します。そこに貴重な時間を割くより、結果に重きを置く評価制度を切り替えることで、社員の公平性やモチベーションの向上アップを図ります。在宅勤務でサボって結果が出せない社員は自動的に脱落していきます。

 

Forbes Japan に掲載された北欧の革新的企業スーパーセルCEOが語る「最高のチーム」のつくりかた (2020/04/26) には、相性が良い2人の人間を組み合わせ『奇跡のペア』をつくることで、最高のゲーム(仕事)ができると述べています。この『相性』とは必ずしも同じ考えを持つもの同士とは限らず、どれだけ高いパフォーマンスを発揮できる二人組か、が基準となります。組織が大きくなればなるほど、全員とうまくいくことは難しいかもしれませんが、『奇跡のペア』をつくれる可能性は高くなります。このペア創出こそ、 1on1 などのヒアリングを通して実現できる新しいリモートマネジメントの姿のひとつなのかもしれません。

 

結論:新たな懸念点を考慮して、リモートワーク実行を

さて、最初の主題に戻ります。クリエイティブでエキサイティングな仕事の成果と勤務場所は、はたして必ずしも一致するのでしょうか?

たくさんの候補者様や採用成功した企業様とお話しすると、リモートで海外のチームや組織をまとめ成果を出しているケースはたくさんあるように思われます。そのため、必ずしもNGとは言い切れないように思われます。余談ですが弊社オクタヴィア・エグゼクティブサーチの考え方も似ており「人が主役:この幸せを追求する組織』を目指しています。社員個人の幸せの土台を築いてこそ長く働くことができ、さらには採用企業様や候補者様に最高のお仕事を提供できると考えているからです。

一方、リモートワークの促進により、マネジメントの観点では新たに懸念する点が出てきています。

  • 時差
  • オーバーワーク

社員の国際化が進む中、時差は大きなチャレンジです。ミーティングの時間が限られたり、意思決定が遅れたりすることがあるかもしれません。コミュニケーションは明瞭簡潔におこなわれることが必要です。

裁量労働で時間が短くなる場合は良いのですが、逆にオーバーワークは禁物です。成果を出すためには人の倍時間がかかる人もいるかもしれませんが、過剰労働にはならないよう労務管理をする必要があります。

 

採用が簡単とは言えない今の時代だからこそ、採用企業様にはベストな人材を見つけ、候補者の方には長く活躍していただきたいと切に祈っています。オクタヴィアはこれからもそんなお手伝いを最大限させていただきます。

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