人材紹介業で成功しているコンサルタント:3パターン
人材紹介会社の種類と、成功の定義
人材紹介会社の種類は、大きく分けて2つあると言えます。1つはサーチ型(ヘッドハンティング)、もう1つは登録型です。
サーチ型(ヘッドハンティング)の特徴は、「クライアントの社長や役員、事業部門長から直に依頼を受けたポジションに対し、ベストな人材を探し出してピンポイントでご紹介する」という点です。そのためには、“今すぐ転職の必要はない”という方にもお声がけし、じっくり口説いてご紹介に結び付けます。
一方の登録型は、クライアントが提示したポジションの条件に当てはまる人材を、”転職希望者”が登録されている社内データベース中心に検索、マッチした方々へポジション詳細を一斉に打診、興味ありと返信が来た方々をご紹介します。
ちなみに、日本で職業紹介を営む事業者のうち、サーチ型(ヘッドハンティング)は8.4%、登録型は84.9%という統計があります。(出典:厚生労働省職業安定局「人材サービス総合サイト」、民間人材ビジネス実態把握調査(職業紹介事業者))
なお、サーチ型(ヘッドハンティング)と登録型の違いについては、オクタヴィア・エグゼクティブサーチの過去のブログでもご紹介しております。
サーチ型(ヘッドハンティング)と登録型の人材紹介の違いとは?①
サーチ型(ヘッドハンティング)と登録型の人材紹介の違いとは?②
人材紹介業において、どのような定義をもって“成功”とするのかは様々な考えがあるところですが、今回は「売上」で“成功”を定義、“成功”しているコンサルタントを3つのパターン別にお話させていただきます。
成功しているコンサルタント:3パターン
パターン1 一人完結型
登録型の人材紹介会社で5~10人のコンサルタントが行う仕事量をたった1人のコンサルタントが行い、成功を収めているケース(但し、数名のリサーチャー、アシスタントがサポートしているケースも含む)です。
一人完結型コンサルタントは、同業種の大手企業を複数クライアントに持ち、同じポジションで複数人採用という案件をたった一人で大量に決定していくスタイルです。1人の転職希望者を同時に複数の同業種クライアントへご紹介し、その中で確実に採用決定に繋げます。
また、比較的高い年収帯の案件を扱う、もしくはミニマムフィーを高めに設定することで、1件あたりのフィーも高めに、かつ大量の採用決定件数で売上を作っていきます。
例:コンサルティング業界(コンサルタント~Director)、プライベートエクイティファンド(アナリスト~マネジャー)、製薬・医療機器業界(MR)、不動産・エネルギー業界(施工管理、電気主任技術者)など。
● 売上(年間):7000万円~3億円
● 1件あたりのフィー:250万円~500万円(フィー100%というケースは除く)
● 決定件数(年間):30件以上
● コンサルタントの年収:3500万円~1.5億円
● クライアント側の担当者:人事
● コンサルタントに必要なスキル:戦略性(仕組み作り)、コミット力、強靭な体力
● 成功のポイント:ゆるぎない売上サイクルの仕組みを作る戦略性、大量の案件を同時進行していくコミット力、連日朝から深夜過ぎまで働き続ける体力がポイント
パターン2 エグゼクティブサーチ型
ビジネスにクリティカルな社長、執行役員、本部長、部長ポジションのみを扱い、依頼を受けたポジションは毎回ゼロからサーチ、最適な候補者を探し出して採用に導くスタイルです。基本的にどんな業種・職種にも対応可能。ご入社後のパフォーマンス、カルチャーフィット、リテンションにまで気を配ってご紹介します。
● 売上(年間):4000万円~1億円
● 1件あたりのフィー:500万円~1500万円(フィー100%というケースは除く)
● 決定件数(年間):8件~15件
● コンサルタントの年収:2000万円~5000万円
● クライアント側の担当者:APAC CEO、社長、Global HR Head、人事執行役員
● コンサルタントに必要なスキル:経営課題の分析・解決力、戦略性(サーチ)、コミット力
● 成功のポイント:1つのポジションをクローズすると、同クライアントからの依頼はしばらくない(エグゼクティブ採用は頻繁にはない)ため、再度ビジネスにクリティカルなポジション採用の際にリピートをいただくことができないと厳しい。Business Developmentの際は経営者層とのネットワーク作りをし、信頼と実績を積み重ねていくことがポイント
パターン3 チームリーダー型
多くの登録型人材紹介会社のキャリアパスでもあるのが、チームリーダー型です。業界や職種別に編成されたチームのリーダーとして、5~10人程の若手コンサルタントを束ね、チームの売上を作っていきます。
ジュニアからミドルレベルまでの膨大な案件を網羅しているので、1人の転職希望者にいくつものポジションご紹介が可能、つまりチームのいずれかの案件で採用となることが可能です。転職希望者が登録のために訪問すると、3~5人のコンサルタントが順番に出てきて、次々案件を紹介される、なんていうこともあるそうです。
● 売上(年間):チームメンバーの売上による ※マネジメントに時間を割くため、チームリーダー個人の売上は1000万円に満たない場合も
● 1件あたりのフィー:180万円~400万円 (フィー100%というケースは除く)
● 決定件数(年間):チームメンバーの売上による
● チームリーダーの年収:1200万円~3000万円
● クライアント側の担当者:人事、Talent Acquisition
● チームリーダーに必要なスキル:ピープルマネジメント、忍耐力、コーチング能力、戦略性(最適化)
● 成功のポイント:マネジメント手腕があれば、とてつもない売上を誇るチーム作りができる。一方で、成績の思わしくない部下へのアドバイスやモチベーション向上に時間を割かれるため、忍耐力は必須。KPI指導も含め面倒見がいいこと、社内でうまく立ち回る政治力があることもポイント
一人完結型 | エグゼクティブサーチ型 | チームリーダー型 | |
売上(年間) | 7000万円~3億円 | 4000万円~1億円 | チームメンバーの売上による |
1件あたりのフィー | 250万円~500万円 | 500万円~1500万円 | 180万円~400万円 |
決定件数(年間) | 30件以上 | 8件~15件 | チームメンバーの売上による |
コンサルタントの年収 | 3500万円~1.5億円 | 2000万円~5000万円 | 1200万円~3000万円 |
クライアント側の担当者 | 人事 | APAC CEO、社長、Global HR Head、人事執行役員 | 人事、Talent Acquisition |
必要なスキル | 戦略性(仕組み作り)、コミット力、強靭な体力 | 経営課題の分析・解決力、戦略性(サーチ)、コミット力 | ピープルマネジメント、忍耐力、コーチング能力、戦略性(最適化) |
次回のブログでは、3パターンのコンサルタントには、それぞれどのような方が適しているのか? お話させていただく予定です。