定着率・パフォーマンスが高いリーダーを採用する秘訣
定着率・パフォーマンスが高い候補者を採用する決め手は、以下の二点に集約されます。
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- 転職市場に出てこない優秀な候補者を探し出すリサーチ力
- 採用企業の組織文化や人とのマッチング力(アセスメント)
『1. リサーチ力』に関しては過去の記事にて簡単にご紹介しました。
- CEOより難易度が高い、Director採用で失敗しない方法 (2022年4月掲載)
- 『質』に妥協しない|オクタヴィア・エグゼクティブサーチが選ばれる理由 (2022年2月掲載)
今回は、『2. 企業と人とのマッチング力』に着目し、オクタヴィア・エグゼクティブサーチのコンサルタントが候補者様とお話しするとき何を見ているかを おもにソフト面についてお話しします。弊社よりご紹介する候補者様が、なぜ入社後の定着率が高いのか、どうしてパフォーマンスに定評があるのか、その理由にお気づきになられるかと思います。
私たちが意識して見ているさまざまな要素を包み隠さずお話ししますので、採用に携わる方ならご共感いただけたりクスッと笑えたりするかもしれません。また、現職のリクルーターにもより質の高いマッチングを実現するために役に立つ内容になっています。
ぜひ、最後までご一読ください。
オクタヴィア・エグゼクティブサーチから紹介し、活躍された候補者たち
入社後に大きく成功された事例(弊社コンサルタントの事例限定)
まず、『定着率・パフォーマンスが高い候補者』とはどのような方々なのか、オクタヴィア・エグゼクティブサーチから実際にご紹介させていただいた候補者様がご入社後成功された実例をあげて一部ご紹介します。
- 日系から外資系へ初のご転職をした当時30代だった候補者様。
外資系企業では珍しく日本国外勤務を経験し、帰国後同社の日本法人社長に就任。 - マーケティングヘッドのポジションでご転職した、向上心の高い候補者様。
その後 昇進し、現在は同社のオーストラリア法人の事業部長として活躍。 - 10人規模の事業部長でご紹介をした、若いけれどマネジメント能力が高い候補者様。
入社直後より毎年継続して2倍以上売上を伸ばし昇進され、
現在は同社で150名規模の事業部の営業本部長。 - 30代の時に日系から初の外資系R&Dポジションにご転職した候補者様。
その後 部門長に昇進し 駐在員として米国のR&Dチームへ赴任、
現地で30名のチームをマネジメント。 - Business Development Manager で競合会社からの引き抜きをさせていただいた候補者様。
その後 数々の新しい事業を創出し、現在も会社の売上の80%をその方がつくりだしている。 - 工場長としてご紹介させていただいた候補者様。
その後 高いマネジメント能力が評価され、日本社長に昇進し、営業から製造全体を統括。
直近1年(2021年下半期〜2022年上半期)プレイスメント実績
なお、直近約1年で支援したポジション案件の一部はこちらです。
- 日本社長 General Manager (日系・外資ジョイントベンチャー企業)
- ビジネスユニットヘッド BU Head (外資化学メーカー)
- 営業部長 Sales Director (PE系グローバル日系精密機器メーカー)
- 事業開発リーダー Business Development Leader (外資エネルギー系企業)
また、エグゼクティブだけでなく、採用支援させていただいた社長や部長からのご要望によりその部下の方の採用なども担当します。
- 営業マネージャー Sales Manager (AIテクノロジー系企業)
- シニア・コンサルタント Senior Consultant(外資エネルギー系IT企業)
- コンサルタントConsultant (外資系戦略コンサルティングファーム)
- テクニカルサポート・エンジニアTechnical Support Engineer(外資化学メーカー)
企業へご紹介する前に、オクタヴィア・エグゼクティブサーチが見ている候補者選出ポイント(ソフト面)
さて、ここからが本題です。オクタヴィア・エグゼクティブサーチは下記の5つの要素を特に注目して候補者の方を選出しています。
誠実性
- 履歴書・経歴書に 嘘や疑わしい点がないかどうか
- 相手の立場やポジションによって 態度を変えていないか
- 時間を守るかどうか、事前に説明なしのドタキャンはないか
- 発言・行動に一貫性があるかどうか
まずは話の一貫性や誠実性をスクリーニングします。抽象的な要素ですが、数多くの経歴書を拝見したくさんの候補者様と対話しているからこそ、客観的かつ総合的に判断することができます。気合いが入る企業様との本番面接ではみられないカジュアルな段階での応対をみることで、人物の本質を見抜くことができます。
ビジネスのドライブ力
- 現職の市場をどのくらい完全に把握しているか(自社の位置・競合・成長性など)
- 営業力・戦略性・リーダーシップ・変革力・調整力、何がどれくらい秀でているのか
- 過去の業績・功績とその理由を明確に語れるか
- 転職理由に一貫性と明解なロジックがあるか
次に、その業界の知識や展望に対する理解の程度を伺います。説明能力(アカウンタビリティ)も大切な要素です。転職理由も含め、論理的かつ合理的に述べられるかどうかを相対的に判断します。
組織文化との相性
- 結果や効率に重点を置き、プロセスは自由にさせてくれる会社がいいのか
(傾向:未上場やアメリカ系企業は自由なプロセスのケースが多いが、上司の方向性による) - 初めからゴールが明確な会社がいいのか、やりながらゴールが見えてくる組織がいいのか
(傾向:前者はアメリカ・ドイツ・イギリス系、後者はそれ以外のヨーロッパ系に多い) - お付き合いしてきたお客様の業界や特性
(例:業界に加え、関東・関西など地域的気質なども影響)
過去に在籍していた組織で、合っていた点と合わなかった点を確認します。例えば、バリバリのグローバル・伝統的な日系・若手中心・専門性が高い職人気質な人が多い(現場の声が強い)・トップダウン など、どのような組織でどのような方々と働いてこられたのかを伺います。上記のような組織風土と文化は、業界の特性に加え国や地域性も影響します。2017年ハーバードビジネスレビューで国別のリーダーシップと組織特性を発表した『異文化適応のリーダーシップ』は有名ですが、下記は製造業界を中心とした、国・地域別のリーダーシップ特性と文化によるマッピング例です。皆様の業界や組織はいかがでしょうか?
部下達との親和性
メンバーとの関係づくりにも個人それぞれ特性があります。以下は、具体的な経験内容を踏まえて確認するポイントの例です。
- 仕組みをつくり、運用・最適化させることが得意なのか
- 若いまたは未経験の社員の教育、育成も大きなモチベーションになっているか
- 経験してきた組織の規模、レポート先のファンクション
例えば、コンサル出身の方が上層部にいる環境や大企業での働いた経験があると、仕組みづくりなどが得意な方が多いです。部下の育成は、ある程度大きい規模の組織をまとめている方や日系企業にお勤めの方は実績が豊富である傾向があります。また、マネジメントした組織規模やどのような部署・役職の方へレポーティングしてきたのかという点も確認します。
『お客様の声』では、弊社の実際のお客様が『高いパフォーマンスとは、現場と管理のバランス感覚が大切』であるとお話ししてくださっています。(ぜひご一読ください)
上司との親和性
リーダーシップを行動に移すパターンは、本人だけでなく上司の志向も大きく影響します。つまり、レポート先(上司)との相性・関係性は、どのようなマネジメントスタイル・性格の上司の元だと実力を発揮できるかは把握する必要があります。そして、具体的に関係者のリーダーシップ特性と自分自身の適合性(相性)を判断する必要があります。
では具体的にどのようなリーダーシップのタイプがあるのでしょうか?下記は、オクタヴィア・エグゼクティブサーチの候補者の方の中で、特に代表的なリーダーシップの一例です。さらに細かく分析すると、ハーバード大学の大学院で心理学や脳科学の博士号を持つダニエル・ゴールマン (Daniel Goleman) が提唱したリーダーシップ論 (原題: Leadership that Gets Results, March-April 200)を当てはめて分析することも可能です(常にこれを意識して面談しているわけではありませんが 笑)
リーダーシップ特性の例
- 圧倒的なカリスマをもって、自分自身が舵を取りに行くタイプ(先導型, Pacesetting)
- 要所要所で、部下意見を聞いてくれるタイプ(民主主義型, Democratic)
- ゴールを共有して、やり方は部下に任せるタイプ(ビジョン型, Visionary)
- 自分は完全に裏方や調整役に回り、部下の個性を伸ばすタイプ(コーチ型, Coaching)
上司との親和性はいろいろな要素から見出すこともできます。例えば、MBA出身の上司は同じくMBA出身者に価値を置くことがあります。過去に在籍していた会社との共通点や、出身地・大学・家族構成・仕事や人生の価値観などもポイントです。
なお、パワハラタイプや自分の出世の事しか考えていないタイプといったような、一般的にあまり好ましくないタイプの上司の扱いが得意である、というのもスキルです(笑)このような能力はカジュアル面談の時などフランクな雰囲気でこそ聞ける話であり、プラスポイントとして考慮されます。
エグゼクティブサーチ会社へ依頼するメリット
実際に日々たくさんの候補者の方と接すると、ご自身の強みやリーダーシップ特性を自覚している方は比較的多いのですが、ご自身がどういった組織に自分が合っているかどうかまで理解されているエグゼクティブの方は多くない印象を受けます。
言い換えると、たくさんのエグゼクティブ候補者は、能力が高く経験が素晴らしいのです!しかし いかに優秀な候補者といえども、千差万別の組織でパフォーマンスを最大限発揮できるとは限らないのです。
事業・組織課題に合わせた経験やスキルの探し出しだけでなく、入社後の定着率やパフォーマンスの最大化まで見据えた採用を可能にするためには、経験豊かなコンサルタントをパートナーにして二人三脚で取り組むほうが効果的です。
リーダーシップ特性は、数ある組み合わせを見てきた採用コンサルタントを巻き込むことにより効果的に見極めることができるといえます。弊社のコンサルタントは、候補者と上司になる方、またマネジメントする組織それぞれの特性を客観的かつ正確に把握し、その相性を重要視しています。そのため、オクタヴィア・エグゼクティブサーチから紹介させていただく候補者様は、定着率が高くパフォーマンスを最大限に発揮し高い評価を受けられる傾向があるのです。