コラム

2023年 新年のご挨拶|昨年の採用市場傾向と本年の展望

代表取締役より新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。
おかげさまで2022年も順調にご紹介につなげることができました。ひとえに皆様のご支援ご愛顧の賜物と深謝申し上げます。

2022年は、自動車、マシーンビジョン、ITテクノロジー領域を担当する新しいコンサルタントが弊社に参画し、ITや自動車のエンジニアや技術コンサルタント採用にも広げてご支援させて頂きました。

また、日本でスタートアップフェーズのITベンダー様の更なる組織拡大のご支援や、PE(プライベートエクイティ)系ファンドが株式を持つ、グローバル日系企業様の役員採用(営業、および生産技術領域)をお手伝いさせていただきました。もともと懇意にさせて頂いております、外資系の化学やエネルギー領域のクライアント様に加え、新しいご縁を沢山いただき、採用に繋げる事ができました。

今年も、ご相談をいただいたクライアント企業様や候補者様との出会い、1つ1つを大切に、ベストなご縁を創出していきたいと考えています。
2023年も、何卒よろしくお願い申し上げます。

オクタヴィア・エグゼクティブサーチ株式会社
代表取締役社長 新木 幸江

2022年採用マーケットの動向

2022年は、コロナの影響に加え、米中摩擦、ウクライナ問題などの政治や物流の混乱などがビジネスに大きな影響を及ぼし、採用マーケットにも好ましくない影響がありました。

半導体の供給不足によって、製造業は生産縮小を余儀なくされており、自動車や家電を筆頭に厳しい状況が続いています。当然、そういった産業に製品を納めているTire1、 Tire2といったサプライヤーも打撃を受け、この領域の採用は限定的でした。

また、円安により外資系企業は値上げをせざるを得なくなり、組織全体に負荷がかかっていた印象を受けました(リストラ、工場撤退、日本法人クローズなど)。

FRBを筆頭とした金利引き上げによる株価下落や個人消費の低迷に対応するため、米テクノロジー大手による相次ぐハイアリングフリーズ(採用凍結)や、社外からの人材調達よりも社内で補填しようという流れにつながっていました。

2023年採用マーケットの展望

  • 半導体マーケット:TSMC、ガス(Air Liquide)などの熊本への新規進出
    半導体受託生産の世界最大手、TSMC(台湾)による熊本県での新工場建設が呼び水となり、ソニーが熊本に半導体新工場を設けるなど、半導体関連企業の九州への新規進出、事業拡大が相次いでいます。また、それに伴い半導体の製造工程に必要な高純度産業ガスの供給や排ガスの処理など、幅広い企業が九州への進出・拡大を決定しており、2023年以降に採用ニーズがより顕在化する可能性が高いです。

 

  • FMCGマーケット:インバウンド、内需需要の復活(レストラン、食品、化粧品)
    国連世界観光機関(UNWTO)のデータによれば、2022年7月時点での海外旅行者の入国者数は、世界全体ではコロナ禍前の2019年7月比で-28%であったのに対して、日本は-95%と大きく出遅れていましたが、2022年10月から大幅に緩和されたことに伴い、日本でも海外旅行での入国者数の水準は回復傾向にあります。インバウンド需要の拡大に伴い、新規ホテル建設も日本各地で予定されている他、海外勢から底堅い人気を誇るMade in Japan(日本品質)の化粧品の出荷も今後伸びていく見通しにありますので、採用が増加する可能性があります。

 

  • ヘルスケアマーケット:継続して好調、AIやIT技術を使ったヘルステックがより拡大
    新型コロナウイルス感染拡大の影響により、消費者の健康意識が高まったことに加え、コロナ禍における在宅時間の増加や、運動不足による肥満の増加、不安・ストレスによるメンタル面の不調など、健康面での不安に対処する手段として、ITを活用したヘルステックが注目をされています。血圧などをモニタリングし「予防」をしたり、睡眠障害やストレスに有効な「メンタルヘルス」、まだ法規制など様々な問題がありますが、「AIによる診療や画像診断」にも進みつつあります。従来の採用に加え、ヘルステックなどの新しい領域での採用が増える見込みです。

 

  • 金融マーケット:PE(プライベートエクイティ)ファンドのカーブアウト、バイアウトの増加
    グローバル化、デジタル化など事業環境の変化が増す中で、大手企業を中心に事業構造改革が進んでおり、上場会社が子会社や事業部門を切り出したり、オーナー経営者が外部のリソースを活用しながら経営再建したりする際の受け皿として、PEファンドが存在感を高めています。PEファンドでの採用ニーズが高まる一方、投資先企業の上層部でのハイアリングニーズも増えていく見込みなので、キャリアの最後は日本企業で、と考えている外資出身の方にはチャンスが増える可能性があります。

 

  • ITマーケット:好調と不調が分かれる可能性も
    インフレ進行による景気後退への懸念の高まりから、GAFAを始めとした米テック大手は軒並み採用抑制の方向に進んでいます。一方、標準サポート終了が2027年に迫る「SAP ERP 6.0」への対応として基幹システムの刷新が求められるため、移行プロジェクトのプロマネを担うコンサル業界、既存の社内システムとの繋ぎこみや企業独自のカスタマイズ等を担うSIerでは急激な採用拡大・育成が急務となっており、2023年も引き続き採用獲得競争が続きそうです。

 

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